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最近焦って読んでしまう。 読みたい本がいっぱいあるから。 でも読むのが遅い・・・ジレンマ。

カテゴリー「小説」の記事一覧

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『告白』湊 かなえ


久しぶりに読む小説。
読み始めて、すぐに引き込まれた。

模倣犯以来の恐るべき吸引力。
しかしながら、まだ、あたしの、小説の中の「死」を受け入れられない更年期障害が文字通り障害となって、なんとなく、後味が悪い。

宮部みゆきだったら、もうちょっと、最後にひっくり返るような、
あっというオチをつけてくれたんじゃないか?とか、
余韻を残すような、終わり方の方が好きだなとか、
思えてしまった。

ベストセラーだけあって、面白いことは、面白い。
他の作品も読みたいな、と思えない、どこか、陰湿な部分がある作品であった。
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『恋する空港』新野 剛志



前作「あぽやん」の続編である。



旅行会社勤務を経て、作家へと、あたしの夢をカタチにしたような御方。

前作同様、空港で起こりそうな、でも、絶対起こらなさそうな、事件が巻き起こる。
一話目の結末が、イロイロと交流を持ったお客様が、
旅先で航空機事故に巻き込まれて亡くなる。

わたしにも、そんな経験があったので、
読み進むのがツラク、断念しそうだった。

最近、小説の中の人達が死ぬ事が、どうも、いやだ。
現実世界に、こうも、死が沢山あるのに、小説の中でまで、そうだと、
気持ちが沈んでしまうのだ。

娯楽的な本を読みたかったのに、一話目に予期せぬ死を与えられ、
作者を恨みそうになる。

何で、イキナリ、ハマさんを殺しちゃうの~~?

小説の中の死にまで、敏感になるって、情緒不安定気味なのかしら。
更年期かしら?
きっと、ソレだな。

うむ。

『岩に立つ』 三浦綾子


誰彼かまわずオススメしたい一冊。

副題は「とある棟梁の半生記」である。

三浦綾子氏のおうちを建ててくれた棟梁のお話で、三浦氏が、

『男の中の男』 

と、尊敬してやまない人物であるようだ。
この本に出会ったきっかけは、先日読んだ「白洲次郎的」で紹介されていたからである。

白洲次郎とほぼ同じ頃の生まれで、明治・大正・昭和を生きた
ものすごく骨太な御方でありました。

人間としての根本が白洲次郎にとても良く似ていた。

ただ違っていたのは、その根本をどこから学んだか、という点ではないかと思う。

方や、ケンブリッジで出会った伯爵の称号を持つ友人から。
方や、着物を一枚しか持っていなかった、半ドカタをしながら育ててくれた母の背中をみながら。

病気・事故で、二人の父親を亡くした棟梁。
三人目の父親が働かず、貧しい生活はずっと続く。

軍の食べ残した、残飯を売る業者があり、その残飯を買っていた。
という程の貧乏だったそう。

しかしながら、懸命に働く母の姿を見ながら育ち、いつか母に、着物のひとつも買ってやりたいと思う。孝行な息子。泣けてくる。

この棟梁のすごいトコロは、
「権力をカサに着て、弱い立場の者を押さえつける様なヤツにはとことん歯向かって行く。」

そんなところがとても白洲次郎と似ているな、と感じた。

その相手が、
マッカーサー元帥です。
より、
町で、威張り散らしているヤクザです。
出征中の、位が上の高官です。
の方に、「かっちょえ~」と言う言葉が心から出て来てしまう。

マッカーサーに言った。
吉田茂に進言した。
となると、もう、ほとんど、歴史を読むような感じになってしまうから、臨場感が無いのかもしれない。


この棟梁を知ってしまうと、白洲次郎が少々かすんでしまうくらい、「男の中の男」なのである。

そして、ハタ、と気になった事。
白洲次郎とこの棟梁。ほぼ同じ頃の生まれ。

棟梁は、徴兵され、軍隊に入る。
後に、召集令状が来て、中国へ出征する。

なのに、白洲次郎は、軍隊にも入っていないし、召集もされない。
「戦争になったら、食料が不足する。」と先を見て、土地を買い、農業に従事する。

農民は、召集を免除される、なんて事を聞いたことがあったが、
白洲次郎は戦争には反対だった。だから、「百姓」になった?

という事になると、少々、白洲次郎への見方が変わってしまうぞ。

庶民には、そんな選択肢は無いのだから。


ついつい、こちらの棟梁の方に、思い入れが強くなってしまうのは、
やはり、自分が庶民だから。

自分の、祖父・祖母に照らせてしまうからである。

明治には、スゴイ男がいた。
この本も、バイボーにしたい一冊である。

『人間失格』 太宰治

わたしも、大概が悩みがちであるが、太宰の足元にも及ばないと思った。(当たり前だが・・・)

なんせ、「あたしの悩みは、こうです」と説明が出来るが、
太宰の悩みは何でしたか?と、問われれば、「ん?」と考えてしまうのである。

彼の場合は、「悩む」事が目的なのであるな。


淡々と、自分というものを別の場所から見ているような書き方が、
ぷっ、と笑えてしまう。
そこに、一切の感情を交えずに、語る。

これは勉強になる。
面白い話を「面白い話があるんだけどさ。。。」と前置きしてはいけないのと同じくらい、
「面白さ」の根本のような気がした。
もしかして、ユーモアのセンスがめっちゃあったのでは?と思ってしまう。



印象深い文は沢山あったのだが、コンパクトな言葉・一文だけを書き留めておく。

【人間、失格。】
と、かなり後半で、この言葉が出てくるのだが、
自分自身に対してこれも淡々と、こう述べるのである。

ある事件によって、廃人になってしまう程打ちのめされた。
それは、愛ゆえ、愛情が深かったからこそ、廃人・狂人にまでなってしまった。
そうして出た言葉だったのだ。
それが分かってしまうと、「人間失格だよ~」などと、とてもギャグで言えなくなった。 

悲しみも、また、淡々と述べると、その深さを増すものなのだな、と思った。



【ただ、一さいは過ぎて行きます】
さんざん悩み倒して阿鼻叫喚生きてきての最後の言葉が、とても印象的であった。

道元禅師の言葉
「人生に意味なし ただ生きるのみ」
を彷彿とさせた。

太宰を全集読んでみたいと思うくらい面白かった。

『容疑者Xの献身』 東野圭吾

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読み終えて一言。

「スゴイな!」

に尽きる。


東野圭吾にハマるきっかけになりそうな一冊である。

映画もドラマも観てないので、知識ゼロで読み始めた。

解かっている筈の事件の全容。
どういうふうに結末をむかえるのだろう?
ひっくり返る様な急展開なんて起こり得るんだろうか?

湯川バリに想像を巡らせてみたが、凡人の脳裏には、全く閃かず。
彼の一言で、アタシはひっくり返った。

たった一言で急展開させるその無理の無さ。
色々な伏線もわざとらしくなく、「そうだったのかー」と素直に驚いてしまった。

そして石神の献身ぶりが切なくもなった。
後半は、ちょっと泣けた。

湯川がカッコイイな~、脇役なのに。なんて思いながら読んでいた。
読み終えて、映画やドラマのホームページを見た。

あら、彼のシリーズ本だったのね。知らなかったわ。
福山雅治が演じたと知って、ぅ~ん、なかなかイイ、キャストじゃな~ぃ。

東野圭吾を飽きるまで読みたいと思う。

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